チタン冠の保険適用の範囲は?大臼歯の条件と2026年のチタンブリッジ

チタン冠の保険適用は大臼歯の単独冠で、1歯1,200点です。分割抜歯を行った大臼歯には使えません。前歯はレジン前装チタン冠の1,800点が別の項目です。
2026年6月には、1歯中間欠損の3歯ブリッジを対象に、チタンブリッジ2,800点が新設されました。この記事では、3つの項目の範囲、条件、1歯と1装置の点数の積み上げをまとめます。
3つの項目と、使える範囲

| 項目 | 範囲 | 点数 |
|---|---|---|
| チタン冠 | 大臼歯の単独冠 | 1,200点 |
| レジン前装チタン冠 | 前歯の単独冠 | 1,800点 |
| チタンブリッジ | 1歯中間欠損の3歯 | 2,800点 |
- 材料はいずれも純チタン2種で、全部鋳造方式です。
- 材料料は2026年9月1日からの表で、チタン冠50点、レジン前装チタン冠50点、チタンブリッジ161点です。
- 材料の留意事項 068(1) の文にブリッジはありませんが、定義の用途の要件は5月29日の訂正で削除され、材料料の表にはM017-3が161点で載っています。
- 材料価格の告示では、純チタン2種は1gあたり36円です。
- 金銀パラジウム合金の全部金属冠の点数は、金パラのクラウンの点数の記事に並べました。
- 金属を使わない臼歯の修復の条件は、CAD/CAMインレーの記事にまとめました。
チタン冠の条件と、使えない場合

- 分割抜歯:分割抜歯を行った大臼歯に用いる場合は認められません。
- 歯根分離:歯槽中隔部に骨吸収と肉芽のある下顎大臼歯を分離切断し、近心根・遠心根それぞれのチタン冠を連結する場合は、別の数え方です。歯内療法は当該歯単位、形成・印象・咬合採得は小臼歯2本分、修復と材料料は大臼歯として算定します。
- 製作方法:令和2年の疑義解釈その15 別添2 問1は、鋳造用ではなくCAD/CAM用の材料を用いた場合は算定できないとしています。
- 記録:純チタン2種を使ったら、材料の名称とロット番号等を診療録に記載します。
日本補綴歯科学会の診療指針(2023年)は、適応症として一般的な鋳造冠の適応症例のほか、チタン以外の歯科用金属にアレルギー反応を示す患者も挙げています。CAD/CAM冠に適した形成が難しい例として、臼歯部では次のような症例を示しています。
- 歯冠高径が低い症例
- 線角・点角が明瞭な形成を必要とする症例
- ホールやグルーブなど補助的保持形態を必要とする症例
- 歯肉縁下にナイフエッジの辺縁形態を形成する症例
2026年6月に新設されたチタンブリッジ

改定の概要は、金銀パラジウム合金の価格状況や医療技術評価分科会等の検討結果を踏まえて新たに保険適用する、としています。
- 定義:純チタン2種を用いて全部鋳造方式で製作する、1歯中間欠損部に対するポンティックを含む3歯ブリッジです。
- 部位:通知のこの項に、部位を限る文はありません。高強度硬質レジンブリッジの項が臼歯に限っているのとは書き方が違います。
- レジン前装加算:1歯につき600点です。前歯か小臼歯の唇面・頬面を前装した場合に算定します。大臼歯は、咬合面を金属で製作し頬面を前装したポンティックに限ります。
- 分割抜歯・分離切断の歯を支台にする場合:やむを得ず製作する場合は、残った歯冠や歯根の状態から歯科医学的に適切な場合に限り、算定して差し支えないとされています。分割抜歯は「M017 ポンティック」の通知(7)のハ・ニと同様、分離切断は大臼歯1歯分です。この歯のレジン前装加算はポンティックのみです(令和8年の疑義解釈その10 別添2 問1)。
- 技工士との連携:届出の医療機関では、補綴時診断料の歯科技工士連携加算1の対象に入っています。
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点数の積み上げ

チタン冠(大臼歯1歯)
形成・印象・咬合採得・装着に、本体と材料料を足します。
| 項目 | 生活歯 | 失活歯 |
|---|---|---|
| 歯冠形成(金属冠) | 306 | 166 |
| 連合印象 | 64 | 64 |
| 咬合採得 | 18 | 18 |
| 本体 | 1,200 | 1,200 |
| 装着 | 45 | 45 |
| 材料料 | 50 | 50 |
| 合計 | 1,683 | 1,543 |
合着・接着材料料、維持管理料は含みません。
チタンブリッジ(3歯・前装なし)
支台歯2本が同じ状態の例です。
| 項目 | 生活歯2本 | 失活歯2本 |
|---|---|---|
| 歯冠形成(金属冠) | 612 | 332 |
| ブリッジ支台歯形成加算 | 40 | 40 |
| 印象(5歯以下) | 282 | 282 |
| 咬合採得(5歯以下) | 76 | 76 |
| 本体 | 2,800 | 2,800 |
| 装着(5歯以下) | 150 | 150 |
| 材料料 | 161 | 161 |
| 合計 | 4,121 | 3,841 |
合着・接着材料料、補綴時診断料、維持管理料は含みません。
レジン前装を行う場合は、前装加算のほか、支台歯の位置に応じた歯冠形成の注の加算が加わります。
除去と維持管理の扱い

- 除去:チタン冠、レジン前装チタン冠、チタンブリッジは、歯冠修復物又は補綴物の除去の「著しく困難なもの」80点の対象です。
- 維持管理:クラウン・ブリッジ維持管理料の「歯冠補綴物」にチタン冠とレジン前装チタン冠が入っています(1装置100点)。チタンブリッジは「5歯以下」の330点の側です。
- 前装部の補修:レジン前装チタン冠の前装部を口腔内で補修した場合は、窩洞形成(単純)と充填(単純)などで算定します。維持管理料を算定している冠の修理は、維持管理料に含まれます。
- 合着:指針は全部金属冠の装着に準ずることができるとしたうえで、歯冠高径が低い症例などでの処理の例を示しています。
原文の確かめ方

- 告示の歯科点数表のPDFを開く(出典の1つ目)。83〜84ページが歯冠形成、85ページが印象、86ページが装着、87ページが咬合採得、88〜89ページが本体です
- 留意事項通知の別添2のPDFを開く(出典の2つ目)。143ページが咬合採得、147ページがチタン冠、149ページがレジン前装チタン冠、159ページがチタンブリッジ、99ページが除去、135ページが維持管理です
- 材料料は保医発0831第1号のPDF 8〜9ページです(出典の3つ目)
- チタンブリッジの問は、令和8年の疑義解釈その10のPDF 5ページです(出典の8つ目)
出典
- 厚生労働省「歯科点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)」M000・M000-2・M001・M003・M005・M006・M010-2・M011-2・M017-3
- 厚生労働省 保医発0305第6号(令和8年3月5日)「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添2 歯科診療報酬点数表に関する事項」(5月29日の訂正後)
- 厚生労働省 保医発0831第1号(令和8年8月31日)「「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について」別添3
- 厚生労働省 保医発0305第1号(令和8年3月5日)「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」068 純チタン2種
- 厚生労働省 保険局医療課 事務連絡(令和8年5月29日)「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」別添5(PDF 104ページ)
- 厚生労働省 保医発0305第4号(令和8年3月5日)「特定保険医療材料の定義について」068(PDF 191ページ)
- 厚生労働省「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第73号)」068
- 厚生労働省 保険局医療課 事務連絡(令和8年7月17日)「疑義解釈資料の送付について(その10)」別添2 問1(PDF 5ページ)
- 厚生労働省 保険局医療課 事務連絡(令和2年6月2日)「疑義解釈資料の送付について(その15)」別添2 問1(PDF 4ページ)
- 厚生労働省 保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」(令和8年3月5日版)PDF 86ページ(印字85)
- 日本補綴歯科学会 医療問題検討委員会「保険診療におけるチタン冠の診療指針2023」
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(疑義解釈その1〜14・訂正通知の一覧)
この記事の数字と日付は2026年11月2日に厚生労働省などの原文で確かめました。2027年3月31日以降は内容が古くなるため、書き直します。