金パラの価格はどう決まる?随時改定のしくみと直近の推移

金パラの告示価格、また変わった?いまはいくら?次はいつ変わる?
この記事では、いまの価格と決まり方、2022年4月からの推移、次の改定の時期を、厚生労働省の資料をもとにまとめます。数字にはすべて出典を付けています。
いまの価格は1gあたり5,232円(2026年9月1日から)

12%金パラ(歯科鋳造用金銀パラジウム合金・金12%以上JIS適合品)の告示価格は、2026年9月1日から1gあたり5,232円です。
- 2026年7月22日の中医協(中央社会保険医療協議会)総会(第653回)で、9月の随時改定の案として示されました。
- 厚労省保険局医療課の事務連絡(令和8年7月31日)で、令和8年9月1日から適用する予定と案内されています。
直前の2026年6月(診療報酬改定)は5,746円でした。今回は514円下がり、率にすると約8.9%の引き下げです。
価格はどう決まる?随時改定のしくみ

年4回、3月・6月・9月・12月に見直す
金パラなどの歯科用貴金属は、診療報酬改定の時期とは別に、年4回見直されます。
- 2024年6月から:3月・6月・9月・12月の年4回
- 2022年4月〜2024年5月:1月・4月・7月・10月の年4回
また、2022年4月からは、素材価格の動きの大きさにかかわらず、毎回見直す扱いになっています。
計算式は「改定前の価格+(X−Y)×1.1」
中医協の資料に示されている計算の考え方を、要点だけまとめると次のとおりです。
- 金・銀・パラジウムそれぞれの取引価格の平均に、含有比率を掛けて「平均素材価格」を出す
- 使う期間は、前回の改定以降から、改定の2か月前まで
- 次の式で試算する
試算価格 = 改定前の告示価格 +(X − Y)× 1.1
X:前回の改定以降の平均素材価格
Y:前回の改定で使った平均素材価格
試算は小数第1位まで出し、それを円に丸めた値が告示価格になります。
実例:2026年9月分を計算してみる
第653回 中医協 総会の資料の数字を、式に当てはめます。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 改定前の告示価格(2026年6月) | 5,746円 |
| X(2026年4月〜6月の平均素材価格) | 4,432.6円 |
| Y(2026年1月〜3月の平均素材価格) | 4,900.3円 |
5,746 +(4,432.6 − 4,900.3)× 1.1 = 5,746 − 514.47 = 5,231.53
試算は5,231.5円。円に丸めて、告示価格は5,232円です。
同じ式で、その前の2回も確かめられます。
- 2026年3月分:3,802 +(4,053.7 − 3,165.5)× 1.1 → 資料の試算 4,779.1 → 4,779円(第642回 総-5)
- 2025年12月分:3,445 +(3,165.5 − 2,840.6)× 1.1 → 資料の試算 3,802.3 → 3,802円(第621回 総-3)
資料のX・Yは小数第1位に丸めた値なので、ここから手で計算すると、資料の試算と小数点以下が少しずれることがあります。ここでは資料の試算価格を書いています。
式から読めること
式のとおり、前回の改定のときより素材価格の平均(X)が高ければ告示価格は上がり、低ければ下がります。上がり幅・下がり幅は、その差の1.1倍です。
Xは相場そのものではなく、決められた期間の平均です。次の改定の価格は、中医協で示される案で確かめてください。
2022年4月からの推移

各行の価格は、右の列の厚労省の資料(PDF)に載っている値です。
| 改定の月 | 告示価格(円/g) | 種類 | 資料 |
|---|---|---|---|
| 2022年4月 | 3,149 | 通常改定(診療報酬改定) | |
| 2022年5月 | 3,413 | 緊急改定 | |
| 2022年7月 | 3,715 | 随時改定 | |
| 2022年10月 | 3,481 | 随時改定 | |
| 2023年1月 | 3,711 | 随時改定 | |
| 2023年4月 | 3,391 | 随時改定 | |
| 2023年7月 | 3,077 | 随時改定 | |
| 2023年10月 | 3,095 | 随時改定 | |
| 2024年1月 | 3,037 | 随時改定 | |
| 2024年4月 | 2,909 | 随時改定 | |
| 2024年6月 | 2,760 | 通常改定(診療報酬改定) | |
| 2024年9月 | 3,045 | 随時改定 | |
| 2024年12月 | 3,010 | 随時改定 | |
| 2025年3月 | 3,230 | 随時改定 | |
| 2025年6月 | 3,299 | 随時改定 | |
| 2025年9月 | 3,445 | 随時改定 | |
| 2025年12月 | 3,802 | 随時改定 | |
| 2026年3月 | 4,779 | 随時改定 | |
| 2026年6月 | 5,746 | 通常改定(診療報酬改定) | |
| 2026年9月(9月1日から) | 5,232 | 随時改定 |
表から読める事実は次のとおりです。
- 2022年4月以降でいちばん高いのは2026年6月の5,746円、いちばん低いのは2024年6月の2,760円です。
- 2025年12月の3,802円から2026年6月の5,746円まで、半年で約1.5倍(+51.1%)になりました。
- 2026年9月は5,232円で、6月から514円(−8.9%)下がりました。上がる改定だけでなく、下がる改定もたびたびあります。
- 2022年5月には、随時改定とは別に「緊急改定」がありました。
2022年5月と7月、2024年6月と9月、2026年6月と9月は、それぞれ同じ資料に2回分の価格が載っているため、同じリンクにしています。
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次の改定は2026年12月

次の随時改定は2026年12月の予定です。正式な適用日は、厚労省の事務連絡で示されます。
12月分の案は、2025年は10月17日の第621回 総会で、2026年は10月28日の第660回 総会で示されました。数字と計算は「金パラ12月改定の案は4,900円 中医協資料の数字」にまとめています。
12月の改定が適用されると、この記事の「いまの価格」は古くなります。正式に決まったら、この記事も書き直す予定です。
原文の探し方

自分で原文を確かめたいときは、次の順にたどります。
- 厚労省の「中央社会保険医療協議会 総会」の一覧を開く
- 開催日の新しい順に、議題に「歯科用貴金属価格の随時改定について」がある回を探す
- その回の資料ページから、該当の資料(PDF)を開く
たとえば2026年9月分は、2026年7月22日の第653回の議題3です。資料の中に、改定前の告示価格、X・Yの値、試算価格が並んでいます。
出典
- 厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(開催一覧)」
- 厚生労働省「第653回 中央社会保険医療協議会 総会(2026年7月22日)資料ページ」
- 厚生労働省「第653回 中医協 総会 総-3 歯科用貴金属価格の随時改定について(2026年7月22日)」
- 厚生労働省「第642回 中医協 総会 総-5 歯科用貴金属価格の随時改定について(2026年1月16日)」
- 厚生労働省「第621回 中医協 総会 総-3 歯科用貴金属価格の随時改定について(2025年10月17日)」
- 厚生労働省 保険局医療課 事務連絡(令和8年7月31日)「「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部改正に伴う特定保険医療材料料(使用歯科材料料)の算定について」の一部改正について」
- 2022年4月〜2025年9月の各回の価格は、推移表の「資料」列の中医協資料(PDF)によります。
この記事の数字と日付は2026年10月28日に厚生労働省などの原文で確かめました。12月の随時改定の後は内容が古くなるため、書き直します。